家庭内の嫌な臭いを緩和するために用いられる、消臭剤と芳香剤。
普段からいずれかを使用している方のなかには、「消臭剤と芳香剤は何が違うの?」「消臭剤と芳香剤はどっちも同じじゃないの?」など、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
消臭剤と芳香剤は一見用途が同じように思えますが、作用や臭いに対するアプローチ方法など、まったく異なるものです。
自分の家のニーズに合ったものを選ぶためには、消臭剤と芳香剤の特長や違いを知っておくことが大切です。
この記事では、消臭剤と芳香剤の特長をはじめ、それぞれの違いや最適な設置場所、おすすめ商品などについて詳しく解説します。
消臭剤とは、特定の悪臭を除去・緩和するための薬剤であり、空間を快適に保つために嫌な臭いを効果的に除去することが目的です。
消臭剤は大きく分けて「家庭用」と「業務用」の2種類に分類されますが、一般的に消臭剤というとトイレやキッチン、部屋や衣類の臭いなど、日常生活のなかで発生する悪臭を対策するための「家庭用消臭剤」を指す場合がほとんどです。
消臭剤は、主に以下4つのメカニズムを用いて悪臭を除去・緩和します。
化学的消臭法とは、悪臭の原因となる成分を消臭成分と化学反応させることで、無臭の成分にする消臭法です。
直接化学反応させる「中和反応」を利用するものが多く、酸性の臭いにはアルカリ性の化合物を、アンモニアのようなアルカリ性の臭いには酸性の化合物を中和させて無臭化します。
中和反応を利用した消臭剤は、特定の臭い成分の対策として有用であり、悪臭の原因となる成分の再放出も起きにくいといわれています。
化学的消臭法は、1つの臭いに対する効力は強いですが、同時に複数の臭いが発生している場所の消臭はあまり得意ではありません。
物理的消臭法とは、活性炭やゼオライトなどの多孔性物質を用いて、臭いの原因となる成分を物理的に吸着して空気から取り除く消臭法です。
多孔性物質は表面積が広く、複数の悪臭成分が発生していても効果的に対処できることが特長です。
一方で、物理的消臭法は、悪臭成分の再放出が起きやすいというデメリットがあります。
生物的消臭法とは、微生物などを利用して悪臭の原因となる物質を分解または変換する消臭法です。
特定の微生物が臭いを発生させる化合物を代謝することで、無臭または臭いレベルの低い物質に変換します。
生物的消臭法は、環境に優しいという側面があり、持続可能な消臭方法として注目されています。
根本的に臭いの原因となる物質を分解・除去することに長けており、長期的に消臭効果が持続することがメリットです。
一方で、生物的消臭法は微生物の活動環境(湿度やpH値)に依存する傾向にあり、化学的消臭法に比べて消臭効果が現れるまで時間がかかるというデメリットがあります。
感覚的消臭法とは、悪臭を化学的、物理的、生物的に除去するのではなく、感覚的に臭いを覆い隠す消臭法です。
悪臭より強いまたは快適な香りを使用し、不快な臭いを感じさせないようにすることが主な働きであり、根本的な臭いの原因を除去するわけではなく、臭いの知覚を変えることに焦点を当てています。
感覚的消臭法は主に、悪臭を強い香りでごまかすマスキング法と悪臭の原因となる成分を良い香りの元となる構成成分に取り込むペアリング法の2種類です。
感覚的消臭法はあくまで臭いの知覚を操作する手段であり、悪臭を根本的に除去するものではありません。
状況に応じて他の消臭法と組み合わせることで、より効果的に消臭できる可能性があります。
芳香剤とは、特定の空間に香りを付与することを目的とした製品であり、消臭剤のように悪臭成分を取り除く効果はありません。
嫌な臭いをより強い香りで覆い隠すことが主な働きであり、前項で解説した感覚的消臭法のマスキング法に該当します。
芳香剤は強い香りを放つため、家のなかの気になる臭いを目立たなくすることができます。
しかし、発生している悪臭が強い場合は、悪臭と芳香剤の香りが混ざり合い、さらに不快な臭いになるケースも少なくありません。
そのため、芳香剤は悪臭を消臭するという目的ではなく、嫌な臭いが発生していない空間に良い香りを付与する目的で使用するのがベストです。
なお、「消臭芳香剤」として販売されているものは、消臭効果と芳香効果を兼ね備えたもののため、悪臭に対する消臭効果が期待できます。
嫌な臭いを除去しつつ、空間に良い香りを付与したい場合は、消臭芳香剤を選ぶと良いでしょう。
これまでの内容をまとめると、消臭剤は悪臭の原因となる成分を除去・緩和するもの、芳香剤は空間に良い香りを付与するものといえます。
消臭剤は空気中の悪臭成分を除去することで空気を清潔で新鮮な状態で保つことが目的です。
一方で、芳香剤は特定の空間に香りを加え、その場の雰囲気を良くしたり心地よい環境を作り出したりすることが主な目的です。
トイレやキッチン、部屋などで発生している臭いを除去したい場合は消臭剤、臭いが発生していない空間の雰囲気を変えたい場合は芳香剤など、自分のニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。
もし消臭効果と芳香効果、どちらもほしい場合は「消臭芳香剤」を選ぶと消臭剤と芳香剤、どちらの効果も得られるためおすすめです。
ここでは、消臭剤の最適な設置場所を紹介します。
消臭剤を臭いの発生源の近くに設置することで、効果的に消臭できるようになります。
家庭で発生する嫌な臭いの多くは、無風状態であれば発生源の近くの狭い範囲にとどまる傾向にあります。
キッチンの臭いが気になる場合はゴミ箱や三角コーナーの近く、下駄箱の臭いが気になる場合は下駄箱のなか、トイレの臭いが気になる場合はトイレの横や後ろなど、発生源のすぐ近くに設置するのがおすすめです。
臭いの発生源の近くに設置すれば、臭いが他のエリアに広がるのを防止できるため、家庭内を快適な状態で維持できます。
消臭剤は、可能な限り低い位置に設置するのがおすすめです。
嫌な臭いの原因である悪臭成分は空気より重たい特長があり、自然と床に近い低い位置にたまる傾向にあります。
消臭剤は棚の上や雑貨の後ろなど、目立たない場所に設置されるケースが多いですが、これでは下にたまった悪臭成分の対処ができません。
下にたまった悪臭成分を適切に消臭するのであれば、なるべく床に近い位置に設置しましょう。
ただし、消臭剤を低い位置に設置する際は、転倒しにくい場所を選ぶことが大切です。液体芳香消臭剤を使用している場合は、転倒した際に薬剤がこぼれる可能性があります。
小さな子供やペットがいる場合は、安全性を考慮し、手の届かない場所に設置するとよいでしょう。
発生源がないにもかかわらず、特定のエリアで嫌な臭いがすることがあります。
これは「空気だまり」によるものであり、他のエリアで発生した臭いが空気に運ばれて一箇所に集まったことで臭いが発生している可能性が高いです。
空気だまりは、主に部屋の隅や廊下の角など、ホコリがたまりやすい場所にできやすいといわれています。
空気だまりにある空気はあまり動かないため、一度悪臭成分がたまると、臭いがその場所に定着してしまう恐れがあります。
家のなかで原因不明の悪臭が発生している場合は、空気がたまりやすい場所を特定し、そこに消臭剤を設置することで臭いを解消できるかもしれません。
ここでは、芳香剤の最適な設置場所を紹介します。
低い位置が最適な設置場所である消臭剤とは対照的に、芳香剤は顔の高さくらいの位置に設置するのがおすすめです。
芳香剤は「香り」を拡散するものであるため、人の鼻よりも高い位置に設置することで香りを感じやすくなります。
見た目が気になるからと芳香剤を目立たない低い場所に設置するケースも見受けられますが、これでは香りが床に落ちて広がりにくくなるため、注意が必要です。
芳香剤は風通しが良い場所に設置することで、より香りが広がりやすくなります。
もし風通しが悪い場所や換気扇の近くなど、空気の出口にあたる場所に設置した場合は、芳香剤の香りが広がりにくくなってしまいます。
室内の空気の流れを意識して、部屋に入ってくる空気に香りを乗せるイメージで設置すれば、効果的に芳香剤の香りを拡散させることができるでしょう。
『ライオンケミカル』では、空間の臭い対策に効果的な消臭剤を販売しています。
ここでは、ライオンケミカルのおすすめ消臭剤を紹介します。
『アクアリフレ デカ玉&メガ玉 消臭ビーズ』は、キッチンやトイレ、部屋や玄関など、幅広いエリアで使用できる消臭芳香ビーズです。
「無香料」と「シャボン」の2種類をラインナップしており、無香料タイプのクリスタルビーズのなかには嫌な臭いに対して消臭作用がある植物系消臭成分などが浸透しているため、家のなかで発生する嫌な臭いをしっかり消臭できます。
また、サイズのバリエーションも充実しており、狭い場所に設置可能な380gタイプから、部屋やリビングなどの広いスペースにピッタリな超大容量の2kgタイプまで用意しているため、臭い対策したい空間に合わせて自由に選ぶことが可能です。
『アクアリフレ 液体芳香消臭剤』は、8種の香りから選べる液体タイプの消臭芳香剤です。
選べる香りは以下の通りです。
キッチンやトイレ、部屋や玄関など、複数のエリアの臭いに対応できるため、好みの香りや置き場所に合わせて自由に選べます。
消臭効率に優れたコの字型ろ紙を採用しており、部屋やリビングなどの広い空間でも気になる臭いをしっかり消臭することが可能です。
ライオンケミカルでは、上記以外にも冷蔵庫やトイレなどで使える消臭剤をラインナップしています。以下から商品ラインナップがご確認いただけますので、ぜひご覧ください。
消臭剤と芳香剤は一括りにされるケースが多いですが、まったく異なるものです。
消臭剤は悪臭の原因となる成分の除去・緩和、芳香剤は空間に香りを付与することが主な目的であり、用途が異なります。
トイレやキッチンなどの悪臭を除去したい場合は消臭剤、空間に香りを加えて雰囲気を変えたい場合は芳香剤など、自分のニーズに合わせて使い分けると良いでしょう。
『ライオンケミカル』では、トイレやキッチン、部屋やリビングなど、幅広いエリアに対応した消臭剤を販売しています。
無香料タイプを含めた豊富な香りのバリエーションや充実したサイズのラインナップをご用意しているため、気になった方はぜひチェックしてみてください。
※各画像はイメージです。